3月17日 晴れ 起床5時
トースト、目玉焼き、ハム、野菜の煮物、
りんご、青汁。
昨夜は部屋の蛍光灯が切れ、仕方なく布団に入って
本を読んだ。すぐに眠気が襲ってきた。時刻は午後
8時。
晩飯は野菜入りのそばだった。
あまりに悲しいので、僕はこっそり焼豚をふた切れ
お椀に入れた。
そばのつゆに脂が浮かんできた。
僕はそっと噛み切った脂身を大事に喰った。
喰い終わると茶の間から離れた。
俳句の番組を楽しみにしてる母を残し、僕は二階に上がり、
蛍光灯のスイッチを入れた。少し間があり、すーっと暗く
なった。
「ヤバイ!目がおかしい!俺は死ぬんじゃないか!」
慌てふためいたが、しばらくして蛍光灯が切れたと知った。
午後7時。僕は布団に入った。
ピエール・ルメートル著「その女アレックス」「悲しみのイ
レーヌ」は読み終えた。
どちらもなかなかに残酷で、先が読めなくて、面白かった。
今は「傷だらけのカミーユ」を読んでる。
僕は完全なミステリ中毒者だ。机の上に、次に読むミステリ
本が置いてないと不安だ。これ、煙草と同じだなー。
ピエール・ルメートルは、トルーマン・カポーティの「冷血」
を、作中で、ミステリの名作のひとつにあげている。
と云うことは、僕はそもそもミステリ・ファンだった訳で。
キープしてあるミステリは以下の通り。
「白い雌ライオン」 ヘニング・マンケル
「五番目の女」 ヘニング・マンケル
「湿地」 アーナルデュル・インドリダソン
「緑衣の女」 アーナルデュル・インドリダソン
歳を取ると頭がカチンコチンになる。
好奇心も薄れてゆく。
ミステリの舞台となった都市の情景を想像したり、殺された
女の顔形を想像することは、きっと頭に良いと思う。
おまけに知識が増える。
日本の三冠馬「オルフェーブル号」は、パリの「オルフェーブ
ル通り」から取ったことが分かったりする。とてもうれしい。
そう、知ることは幾つになっても楽しい。
知ったからどうってことはないが、何か、もうひとつ別の世界
を手に入れたように感じる。
それは人生からの逃げ場所?
それは快楽のジン・ソード・バー・ルーム?
生まれたはずのケンタッキーの家?
未来の死に場所?
切れた蛍光灯をいかに早くなおすか?
或いは、卓上ランプを新しく買うか?
昨日と同じく布団で読むか?
「答えはこの中にあるんです」なんてねー。