7月18日 曇り 起床5時
朝食 玉子巻き
トースト
アイスコーヒー
寝転んで「レイモンド・カーバー・傑作集」を読む。
なぜか知らないが懐かしい気がする。
ー ひょっとして、以前に読んだ? −
読んだのかもしれないが忘れてる。
彼の短篇はスラスラ読めるが、良く分からない。
訳者の村上春樹さんも難解だと云う。
分からなくても焦ることはない。
まあ、分かろうがどうだろうが、大した問題じゃない。
「えびすや」で。
「俺は横浜やら川崎に遊びに行きたいんや」
Sさんがしきりに云う。
彼は川崎堀之内の話をしたくてしょうがない。
「堀之内で風呂入って、それから中華街行くの?」
くしゃくしゃな顔をする。
「いきてー!忠平さん!連れてってくれまんや!」
本気モードだ。でもね、僕はそんなに暇じゃないから。
Sさんは72歳。会社の会長をしている。
ガッポリ儲かる会社だから、Sさんは金に不自由しない。
会社は長男と次男が継いだ。Sさんとしては、晴れて遊び
たい訳で。
「えびすやは我ら労働者階級の店だから、金持ちのS
さん、あなたは来てはいけない」
僕は意地悪を云う。
「そんなこと云うなま!」
「いやいや、ここは、我ら労働者の店です!」
労働組合に青春を捧げた加賀市の男がウナズく。
「来てもええわなー、千春ちゃん」
「千春ちゃんは関係ないやろ」
「今日もきれいよ千春ちゃん」
「このスケベ親父はどうにもならんわ」
「うわははは!」
Sさんは僕の後見人だと云う。
「わしはあんたを守りたいんや」
まあ、有難い。意地悪はほどほどにしよう。
産経新聞の黒田勝弘さんがBS・TBSに出演。
昨今の日韓問題について語った。
「韓国政府と上手くいかなくても、韓国民とは・・・・」
彼は云いにくいみたいだ。
韓国に住む黒田さんは、韓国を愛してるし日本も愛してる。
今回の問題に関して、どうしても云いよどむ。
「ムンジェインにとってはラッキーなんですね。打つ手が
なかった時に、日本から制裁の声が上がった。
もうこれで、反日を煽って、韓国を一枚岩にしようとし
ますよ」
でもそれは、黒田さんの願う韓国の姿ではない。
いっときは誤魔化せるが、長くは続かない。
「韓国民はですね、驚いてるんですよ。今も日本に頼って
いるとは思ってませんからね。そんなに技術をもらって
たんだって、びっくりです」
果たして日本人は、韓国や韓国民を知ってるだろうか?
ほとんど何も知らないんじゃないか?
かの戦争だって、米国よりドイツの方が遥かに強いと、軍
人達は思ってたんじゃないか?
でなきゃあ、米国にケンカは売らない。
東条や中枢にいた軍人は、ヨーロッパ・欧州組だった。
山本五十六や石原莞爾ら、所謂、一線級じゃない軍人達は
、欧州ではなく米国に留学し、米国の怖さを肌身で感じて
いた。
今も、僕ら日本人は米国や米国民の事などほとんど知らな
い。でも、知ってると思い込んでる。
例えば小松人は、日本中が小松と同じだと思っている。
正に「知ってるつもり」が多い。
何故「何も知らない」と思わないんだろう。
この国はそもそも島国。韓国は大陸国家。
シチュエーションが違い過ぎる。
僕は米国を知りたい。
米国を知らないのに、トランプ大統領をどうのこうの云え
ない。彼は日本人ではない。米国人だ。
知らないなら知らない方がいい。
それが百倍良い。
「知ってるつもり」が一番危険だ。
僕は米国を知りたい。
そのことが、何故か、子供の頃の僕に戻れるからだ。
鱒釣りに夢中になったヘミングウェイとカーバー。
梯川でフナ釣りに興じた少年時代の僕。
とても近い。何かが似ている。
日本では、いつの間にか消えていった「少年」が、米国で
は歳をとっても尚、生きている。
人生の黄昏に「少年」に戻りたくないか。
それは不確かなものかもしれない。
どうでもいいものなのかも。
でも、もし、確かなものだとしたら。
僕は僕の「核」を見たい。