8月11日 晴れ 起床5時
昼食 寿司
かれい塩焼き
なすのオランダ煮
きゅうりなます
筑前煮
いちじくのケーキ
アイスコーヒー
妹が来ると、母親はご馳走を用意する。
「持つべきは娘」
息子は役に立たないが、娘は役に立つ。
午後4時。
少し日が陰ったので、妹の車で墓参り。
帰りはマッツまで送ってもらう。
最近、ユーチューブを覚え見まくってる。
特に日韓問題に関しては面白い。
僕は「OIDMAN−何とか」が、好きだ。
韓国には立派な人がいる。
軽い感じで話してるが、よく殺されないもんだと思う。
彼は「僕は親日家ではない」としながら、日本による韓
国統治は決して奴隷的ではなかったと、分かりやすく説
明した。
間違った歴史認識を利用して、北に奉仕しているのが文
ジェインだと彼ははっきり云う。
「北が我々韓国民に何をしてきましたか。軍艦爆破、ヨン
ピョン島砲撃、国境での地雷爆破。
いま文ジェインはその国に入れ込んでいます。
戦後70年の間、日本が我々に害を与えたでしょうか。
日本は我が国の経済復興に無くてはならない国だった。
近くに日本があったお陰で、韓国は経済大国になれたの
です」
申し訳ないほどに親日だ。
OLDMAN氏の云うように、韓国民に対し差別はあった。
でも差別はどんな国でもある。
氏は云う。
「日本人が韓国民を奴隷にしたことは一度もないのです」
さてさて。政治の話はこれくらいで。
ーメンフェスのコモドア・ホテルのバーで、二人の男が
酒を飲んだ ー
「新しい知性と戦略が必要だよ、ミスター・コイズミ。
戦争はすでに始まっているのかもしれないよ」
ローウェルは日本から来た若者に云った。
本日二杯目のビールをグビリと飲みながら。
そして彼は、スイカのようにデカイ腹を撫ぜた。
若者は60キロあるかないかに見えた。
「太りにくいんです」
ホテルのラウンジに「ディキシー・ベイビー」が流れた。
50年前、このホテルで出会い、恋をした女がいた。
ローウェルはその女を忘れることはなかった。
女はヒッピーで、誰とでも寝た。
「アナタはわたしのディキシー・チキンなんよ、
そんでわたしはアナタのテネシー・ラムね」
そんなどうでも良い歌を彼女はいつも歌った。
夜のベッドで、或いは、川のほとりの草の上で。
「そう云えば、二杯目のビールを運んで来たひげ
もじゃの男。あの歌を鼻歌で歌っていたなー」
ラウンジに「ディキシー・ベイビー」のサビが流れた。
すると、ラウンジにいた客全員がグラスをかざし歌った。
「イフ・ユー・ビー・マイ・ディキシー・チキン、
アイ・ワナ・ビー・ア・テネシー・ラム」
な、なっ、なんと、女は街中の男と寝ていた。
「いい女だったもんなー」
ローウェルはクスリと笑った。
「なんかみんな盛り上がってますね」
若者は云った。
ローウェルは今起きた話を若者にしようかと思ったが
やめた。「これはヒットする」。
ミスター・コイズミはその後、父親の後を継ぎ、代議士
になった。大出世した訳だが、この当時は政治を専攻す
るコロンビア大学院の学生だった。
ローウェルはこの夜のことを歌にした。
題名は「ディキシー・チキン」。
かなりヒットした。
そして2019年、8月11日の深夜。
日本の石川県小松と云う街のライブハウスの事務所で、
ひとりの男が「ディキシー・チキン」をカバーしようと
思いたった。
「まあ、出来れば、カバーじゃなくて、オリジナルが
良いんだけどね。まずは、カバーかな」
男は炭酸水をグビリと飲んで、腹を撫ぜた。
その腹は、ローウェルよりもデカかった。
その男もまた若い時は、女で散々な目に会った。
「青春の思い出は、歳を取るごとに、新事実が分かって
きて、嫌な思い出になるわなー」
男はキツイ現実を笑い飛ばそうと思った。
そう、沼の泥の中に長くいてはいけない。
男は炭酸水を飲み、でかいゲップをした。
男は事務所を出た。
ひとりで夏の夜の街に消えた。