7月16日 晴れ 起床4時
夕食 セブンイレブンのおにぎり2個
コロッケ一個
焼き鳥一本
綾鷹一本
本日、叔父の葬儀は無事終了。
骨を拾い、斎場を出て家に帰り少し眠った。
午後4時半、目覚めてすぐマッツへ。
今晩はバンド練習。これは休めない。
13日の月曜日。
この日の朝叔父は亡くなったんだけど。
母に呼ばれて茶の間に行くと、母が腕をおさえていた。
「ムカデに噛まれたみたいや」
母は憎々しげに云った。
なんとムカデは母を噛み、あろうことか母の髪の毛の中
へ逃げたらしい。
「しばらくすると、髪の中に何かがおるのに気付いたん
や、そしたらおったんや、デカいのが」
「この机の下におる!」
食卓用の低い机の周りを、僕は新聞紙を丸めながら回った
。行き場を失くした巨大ムカデはついに、僕の足めがけて
机の下から突進してきた。
あまりのデカサとその速さに、意識が飛びそうになった。
でも相手はたかがムカデだと思いなおし、僕は彼に100
キロ超級キックをお見舞いした。
「どうだ!ぼけなす、イチコロやろが!」
ところがなんと、彼は100キロ超級のキックに堪えた。
彼は足を振り降ろした僕に向かって、再び突進し出した。
僕は完全にビビった。視界がブレ斜めになった。
「こいつは化け物だ!」
僕は恐怖で後ずさりし、冷蔵庫に背中を打ちつけて転んだ。
「そうだ!新聞だ」
尻もちをついた態勢で、クネクネしてるヤツを10数回ブッ
叩いた。慌てまくってるので急所に当たらないのか、奴は
死なない。
「新聞は駄目や!スリッパで殴らんと死なん!」
母の声が飛んだ。
僕はスリッパを脱ぎ、床を無茶苦茶叩いた。
化け物はようやく動かなくなった。
「安心したら駄目やぞ!まだ生きとる!」
箸でつつくと、くねりと動いた。
「ほーら、生きとる!」
母はついに、ムカデを細切れに切り刻んだ。
そして微笑んで一言云った。
「ご苦労さん」
なんか、女の人は虫に対し特別な感情を持っている。
母は以前にも、髪の毛の中にムカデがいて大騒ぎした。
一年に、何匹もデカイいムカデを殺している。
ムカデを殺すことに、異常な執念を燃やすように思う
んだけど。
翌14日。
母はヤモリを殺した。
母は枕元に、瞬時に虫を凍らせる噴射機を置いた。
まあ、母の隠れた楽しみにアレコレ云うつもりはない。
母は元気になった。
ひょっとしたら、虫たちやヤモリのお陰かも知れない。
彼らはマザーズ・リトル・ヘルパー。
金の掛からない麻薬。